急性期治療を終えてから在宅を目指してリハビリテーションをしていく場所として
【地域包括ケア病棟・病床】と【介護老人保健施設(老健)】があります
【地域包括ケア病棟・病床】は病院
【介護老人保健施設(老健)】は施設
といった違いはありますが、他にどんな違いがあるでしょうか?
【地域包括ケア病棟・病床】と【回復期リハビリテーション病棟】の違いと合わせて、こちらもよく質問されるのでまとめてみました
ちなみに、回復期リハビリテーション病棟との違いは別の記事でまとめていますので、気になる方は見てみてくださいね
また、地域包括ケア病棟・病床についても詳しくまとめているため、ぜひご覧ください♪
でははじめます!
【地域包括ケア病棟・病床】と【介護老人保健施設(老健)】の違い
対象者
地域包括ケア病棟・病床
年齢や疾病等による入院の制限はありません
介護老人保健施設
介護老人保健(老健)は下記の条件を満たしている必要があります
- 要介護認定を受けている(要介護1以上)
- 在宅復帰が見込める
- 病状が安定している
- 実施できる医療ケアは制限あり(吸引は日中のみ、など)
期間
地域包括ケア病棟・病床
病状等によらず60日間と決められています
A病院の地域包括ケア病棟からB病院の地域包括ケア病棟へ移る場合も日数は合算されるため、合計60日以上の入院はできません
介護老人保健施設
老健の入居期間は原則3-6か月です
ですが、ご本人の身体状況等や、施設の区分によって3-6か月を超えて入所する場合もあります
長期間の入居が必要な場合、老健を転々とされる方もいます
老健を転々とする場合、入居期間はそれぞれの施設ごとに計算され、上限は施設規定によります
特養待機等で1年以上入居をされる方もいます

老健は
「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他」
の5種類に区分されます

どの区分に該当しているかによって
3か月程度以内に自宅に帰る見込みのある方を受け入れるのか
特養待機等で長期利用を相談できるかが変わります

どの程度の期間
何の目的で
どこへの退院を目標に老健を利用したいのかによって
どこの老健に相談するかを検討・選択しましょう

どこに相談すればいいかわからない!という時は、
自宅にいる場合はケアマネ
入院中は相談員や退院調整看護師に相談してみてくださいね
リハビリテーション
地域包括ケア病棟・病床
1日2単位以上のリハビリテーションを行います
介護老人保健施設
老健の場合は、1週間で2回以上(1回あたり20-30分)リハビリテーションを行っていきます
入所後3か月はリハビリテーション回数・時間を増やして対応している施設もあります(別途加算が算定されます)
医療体制
地域包括ケア病棟・病床
24時間、医師・看護師が常勤し、必要な医療・看護を提供します
介護老人保健施設
老健の場合は、必ず1人以上の医師が常勤して入居者の体調管理を行います
看護師も特養等と比べて人数は充実しており、経管栄養や吸引にも対応しています
ですが、施設によっては医師・看護師が日中しか常駐しないことがあります
そのため、老健では医療的なケアが必要な方も受け入れていますが、受け入れ可能な医療処置に制限があるため、対応が可能かは確認・相談が必要です
費用
地域包括ケア病棟・病床
地域包括ケア病棟は、医療保険を利用し、費用は定額です (個室の場合は別途差額ベッド代が必要)
介護老人保健施設
老健は介護保険法で定められた公的施設のため、比較的費用は安くなっています
介護保険が適応され、自己負担額は1~3割に抑えられます
ただし、リハビリテーション等のケアサービスは別途加算されるため、その分費用が高くなる場合があります
また、薬代は施設の持ち出しになるため、薬価が高い薬を使用している場合は、基本的に対応が難しくなります。
老健の費用を減らす方法として、軽減制度の利用があります
「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)制度」や「高額介護サービス費制度」、「高額医療・高額介護合算療養費制度」などを利用することで自己負担額を軽減できる場合があります
住民税非課税世帯であることや貯金額等、対象者には条件があるため、気になる方は住所地の区役所等にご相談してみてください
最後に
地域包括ケア病棟・病床と回復期リハビリテーション病棟の違いとは異なり
病院と施設という違いもある故に、様々な相違点があります
地域包括ケア病棟・病床と介護老人保健施設のそれぞれの特徴を知り
どちらで自宅に向けた調整を行うのか検討していくとよいですね
ではまた♪
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