【退院調整看護師】とは?仕事内容や役割、退院調整看護師として働くメリットやデメリットをご紹介します!

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退院調整看護師 看護師

【退院調整看護師】って聞いたことはありますか?

また、【退院調整看護師】を知っている方はどのようなイメージを持たれていますか?

院内に数人しかいなくて、いつも忙しいそうにしている

経験年数の長い、ベテラン看護師!

ケアマネや地域の病院など、外部との連絡・調整をよくしている

ファイル片手にカンファレンス等あちこち行っているイメージ

なんていうイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

退院調整看護師は、介護の医療機関や各種在宅サービス等と連携をとり、患者さん・ご家族が在宅で安心して生活が出来るように支援してくれる、在宅療養の心強い支援者です

医療ソーシャルワーカーとは違い、医療面に強く身体的な側面からも支援ができるため、在宅療養を推進している現在の日本でニーズが高まってきています

ですが、退院調整看護師を置いている病院でも、院内に1~3人程度しかいないことも多いため、実際どんな役割で、どんな仕事をしているのか等について情報が少なくあまり知られていないのが現状です

そのため、この記事を通して、その仕事内容や役割、退院調整看護師として働くメリット・デメリット等を知っていただければと思います

今後の看護師の働き方として「退院調整看護師」という選択肢もあるのだと知っていただけたら嬉しいです

退院調整看護師

退院調整看護師とは?

退院調整看護師とは、入院している患者さん・ご家族が自宅で安心して生活できるように、地域の医療機関やケアマネージャー等と連携しながら支援していく看護師のことを指します

このブログでは「退院調整看護師」と表現していますが、病院によっては「退院支援看護師」と表現していることもあります

自宅に退院する方の中でも、人工呼吸器や喀痰吸引、中心静脈栄養など医療処置が必要な方の支援をメインで行うことが多いです

退院支援と退院調整の違いは?

簡単に説明すると下記のような違いがあります

  • 退院支援
    • 患者さんの退院後の自立した生活にむけた直接的な支援
  • 退院調整
    • 地域の社会資源と患者さん・ご家族をつなげ、間接的に患者さんの自立を支援

意味に多少違いはありますが、患者さん・ご家族の自宅退院に向けた支援には、「退院支援」も「退院調整」もどちらも大切になります

退院調整看護師として働く場合は、「退院支援」と「退院調整」を組み合わせながら支援していくと思っていただければと思います

より詳しい退院支援と退院調整の違いについては、こちらの記事をご参照ください

医療ソーシャルワーカーと退院調整看護師の違いは?

「退院支援・退院調整」と聞くと、医療ソーシャルワーカーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか

実際、病院内の配置人数も、退院調整看護師より医療ソーシャルワーカーの方が多い場合がよくあります

同じように「退院支援・退院調整」を行う職種ではありますが、下記のような違いがあります

  • 医療ソーシャルワーカー
    • 福祉職
    • 社会的な生活を送れるように患者さん・ご家族をサポート
    • 社会的な問題を抱えている方へのアドバイスや、関係機関との連携・調整
    • 転院や施設入居調整を行う
  • 退院調整看護師
    • 医療職
    • 患者さん・ご家族が自宅での療養生活を送るのに必要な支援
    • 自宅での看護・介護への専門的なアドバイスや関係機関との連携・調整
    • 在宅療養に必要な、地域の医療機関や各種介護サービス、社会資源との連携・調整

この医療ソーシャルワーカーと退院調整看護師の役割分担については、各病院によって大きな違いがあります

規模の大きな病院ほど、「地域連携室」と「医療相談室」のように部署自体を分けて役割分担をしていますし、小~中規模では同じ部署で大まかな役割分担をしつつも状況に合わせて退院調整看護師も施設調整や転院相談をしているところもあります

入院中の患者さんは病状が変わりやすく、急に退院先の方向性転換が必要となることも多々あります。医療ソーシャルワーカーと退院調整看護師が連携・調整しながら、よりその患者さん・ご家族に合った支援をしていくことが大切です

詳しくは、別の記事でまとめているのでよければご参照ください

病棟看護師と退院調整看護師の「退院支援・退院調整」における役割の違いは?

退院支援看護師は、医師や病棟看護師、医療ソーシャルワーカー等と連携し、退院前の問題の明確化と共有、退院前カンファレンスの実施、社会資源の調整などを行っていきます

一方、病棟看護師も退院支援・退院調整に密に関わっていきます

患者さん・ご家族の状態によっては、病棟看護師のみで自宅退院を支援していくこともあるでしょう

では、「退院支援・退院調整」をする中で、病棟看護師と退院調整看護師の役割の違いはどこかというと、ざっくり分けると下記のような違いがあります

  • 病棟看護師
    • スクリーニング・アセスメント
    • 看護計画立案・実施
    • 患者さん・ご家族への手技指導
  • 退院調整看護師
    • 患者さん・ご家族の意向や自宅環境等の情報収集
    • 地域の医療機関やケアマネ等との情報共有・連携・調整
    • 退院支援計画の立案・実施
    • カンファレンス等の開催

このように、病棟看護師は患者さん・ご家族への直接的な支援がメインとなり、退院調整看護師は外部との連携調整も含めた直接・間接的な支援を行っていきます

同じ看護師でも役割が異なるため、互いに情報共有・連携しながら、患者さん・ご家族を支援していくことが大切です

この、病棟看護師と退院調整看護師の違いについても、別の記事でまとめているので良ければご参照ください

退院調整看護師の1日

では、実際の退院調整看護師はどのような1日を過ごしているのか?

とある日の1日のスケジュールを例にまとめてみました

時間仕事内容
9:00
勤務開始
本日のカンファレンスや面談等のスケジュールを確認
朝礼後、同じ部署の退院調整看護師や医療ソーシャルワーカーと情報共有
9:30
病棟にて情報収集
担当患者の病状や各種指導状況等を確認
病棟看護師と前日や夜間等に緊急搬送された患者の情報共有
10:00
入退院支援カンファレンス
入院して7日以内の患者さんについて、多職種で情報共有し、介入の要否や注意点等を確認
10:30
外部機関との連絡・調整
自宅退院予定の患者さんについて、地域の訪問診療医・訪問看護事業所と情報共有や支援の相談等を実施
必要時、診療情報提供書や日常生活機能評価表などをFAXする
11:00
退院前カンファレンス
退院が近い患者さんの、退院前カンファレンスを開催
カンファレンスの司会や退院前に必要な各種評価や患者・家族指導等について確認・調整を実施
12:00
昼休憩
病院の食堂か事務所で昼食
休憩中も外部機関から電話連絡が入ることもしばしば
13:00
地域包括ケア病棟カンファレンス
地域包括ケア病棟のカンファレンスに参加
病棟主催の定期カンファレンス(医師、看護師、セラピスト、薬剤師、栄養士、MSW、退院調整看護師等)にて治療やリハビリ状況、退院支援に向けた各種確認・調整を実施
14:00
外部機関との連絡・調整
担当患者さんについて、ケアマネージャーや地域包括支援センター、訪問看護事業所等と必要な情報共有・調整・相談を行う
15:30
家族カンファレンス
ある程度治療やリハビリが安定した段階で患者さん・ご家族・(ケアマネージャー)に現状を報告し、今後の方向性の希望等を確認するため、家族カンファレンスを開催
司会や、方向性を決めるための各種社会資源等の情報提供、相談等を行う
17:00
記録等
1日の支援記録や、明日以降の確認事項の確認等を実施
部署内での情報共有なども行う
18:00
退勤
ある程度記録やまとめ等が落ち着いたところで退勤する
定時で退院できることもあれば、繁忙期は2~3時間程度残業することも

退院調整看護師として働くメリットは?

院内・院外の他職種と関わることができる

退院調整看護師は院内・院外の様々な専門職と関わります

そのため、いろいろな専門職と関わり、連携・調整し、コミュニケーションを図り、繋がれる楽しさがあります

もともと色んな職種と連携やコミュニケーションを図ることが好きな看護師に向いている働き方でしょう

それぞれの専門職の立場や考え方の違いから、ぶつかり合い、板挟みにあうことも多々あります

それをいかに円滑に相談・調整してくかの過程も楽しめる方にとってはメリットです

地域の社会資源に詳しくなる

入院してくる患者さん・ご家族は、様々な問題を抱えています

身体的な問題(ADL自立で生活していたため、各種疾病・障害や、介護が必要な状況への知識・理解が少ない等)はもちろん

金銭的な問題(年金が少ない、借金がある、保険未加入等)を抱えているひとも多いですし

家族関係の問題がある人も多々います(独居・身寄りなし、近くに家族はいるが仲が悪く協力体制が望めない、同居の家族はいるが仕事が忙しく介護は難しい等)

退院支援・退院調整をする中で、それぞれの抱える問題点や課題を解決するために、どこに相談すればよいか、どんな調整ができるのかを働きながら知り・学ぶことができます

その結果、自分や自分の家族・親族が何らかの病気や障害を抱えた時に、すぐに対処しやすくなります

看護師として病棟で働くだけでは知らなかった、地域の様々な社会資源を知ることができ、自分の実生活に生かせることは大きなメリットです

実際、自分の両親や親族が高齢化してきており、

病状や身体状況に合わせていろいろなアドバイスができるので重宝されています

自分が病気になったときにもどんな支援があるか知っていると安心感がありますよね

基本的に日勤のみ、土日祝休みが多い

退院調整は患者さん・ご家族が活動している時間かつ、外部機関が動いている時間帯でしかできない仕事がほとんどです

そのため、基本的に夜勤はなく、日勤の扱いになります

また、土日祝も外部機関が休みのことが多いため、退院調整看護師も休みのことが多いです

ただし、急性期病院などは、土日祝も救急等の対応をしている関係で、退院調整看護師や医療ソーシャルワーカーが最低1人在籍し対応できるようにしていることもあるそうです

各病院によって多少違いはありますが、基本的に日勤で土日祝休みであるため、子供がいるご家庭などでは仕事とプライベートを両立しやすいというメリットがあります

看護師というと不規則勤務をイメージしますが

退院調整看護師はある程度カレンダー通りに働けるというのはありがたいですね

自分のペースで仕事がしやすい

カンファレンス等の決まった予定ももちろんありますが、パソコン等の事務作業・デスクワークの時間も多くあります

自分の担当の退院調整について、どのタイミングでどの連携機関にどのように連絡・調整していくのか、自分の采配で動かしていく部分も多いです

そのため、自分のペースで働きやすいというのも特徴の一つです

ひっきりなしに外部や院内から電話連絡が入ることももちろんありますが、

病棟勤務の時のように常にナースコール対応をしながらいろんな業務をこなして…というのは少なく、1つ1つ確実に対応していく場面が多いので、自分のペースでやりやすいと感じることは多いです

退院調整看護として働くデメリットは?

退院調整看護師として働くにはある程度の経験年数が必要

自宅退院した後に医療処置が必要な方の場合、実際にどの程度難しい手技で、どんな物品や知識・技術が必要で、自宅では患者さんに合わせてどんな風に工夫等が必要かなどが分からないと、退院支援・退院調整ができません

また、病院の仕組みや各職種の専門性の把握、病気の知識・理解等がしっかりしていないと、退院支援・退院調整に必要なアセスメントや計画立案等が十分に行えません

そのため、3~5年などの病棟経験を必須とする場合も多いですが、数年~数十年病棟や在宅領域等でしっかりと実務経験を積んでいる必要があります

また、院内の各職種とも連絡・調整をすることになり、場合によってはベッドコントロールにも関与していきます

その結果、看護師長・看護部長・院長と連絡・調整をする機会も多く、こういった管理職側ともコミュニケーションを図り、場合によっては様々な提案や議論等をしなければいけなくなります

病院によっては看護部長の右腕として働くことになることもあるため、ある程度の知識・経験と行動力が求められるのです

経験の浅い看護師が「興味があるからやってみたい~」でやるにはなかなか難しい働き方という意味で、デメリットしてあげられるのではないかと思います

聞いていると、看護師10年以上で、複数の領域の経験のある看護師が担っていることが多いですね

病棟師長の経験がある方も多いですよ

ベテラン看護師ばかりなので相談する側としては安心感があるかもしれませんね

在宅領域の経験が少ないと、退院調整や外部との連携が大変

病棟勤務しか経験がなく、訪問看護等の在宅領域の経験が少ない看護師は多いでしょう

しかし、退院支援・退院調整をするためには、在宅領域で実際どのように医療機関や介護支援スタッフが患者さん・ご家族と関わっているかを知らなければ具体的なアドバイスや支援、調整等ができません

そのため、在宅領域が未経験の方が退院調整看護師として働く場合、実際の現場(患者さんの自宅)のイメージがしづらく、退院調整や連携等がしづらいというデメリットがあります

そのため、できれば病棟と在宅領域の両方を経験してから、退院調整看護師として働くことがおすすめです

実際、退院調整看護師として転職相談をする場合、

病棟や在宅領域などいろいろな実務経験がある方が採用されやすいようです

未経験の採用枠が少ない

退院調整看護師は基本的に院内での異動で働いている方が多いです

また、転職サイトを利用した場合でも、経験者は募集が複数ある場合でも、未経験者はなかなか募集すらされていないことが多いです

そのため、退院調整看護師未経験での転職は、なかなか希望の条件に合ったものを探すのは難しいと思った方がよいでしょう

もし可能であれば、まずは院内での異動で経験し、その後希望の条件に合わせて転職等をしていくとよいのかもしれません

うめが退院調整看護師としての未経験での転職を考えた時には、近隣県含めて2つしか募集している病院がありませんでした

しかも自分の希望していた転職条件にあまり合致せず、長期間募集を待っていたとしてもほとんど新しく出ないとのことで悩みに悩みましたね…

給料が安い

看護師は、夜勤手当で稼いでいる部分が大きいですよね?

退院調整看護師は日勤のみのため、資格手当等がついたとしてもなかなか給料は高くなりません

また、病院にもよりますが、残業が少ないところであれば残業代もつかず、より給料が低くなりやすい傾向があります

うめが探したときは、年収350~400万の求人がほとんどでした

夜勤がある働き方をすると、年収450~600万になることもある看護師としては、なかなか低い給与ですね

働き方や自分の興味・関心を優先するのか

年収を優先するのか

退院調整看護師として働くときには、自分の将来設計含めてよく考える必要がありますね

数万~数十万だけでも給料が上がってくれればあとは希望条件に合致するのに…

なんて時には、転職サイトの担当者に相談すると、給与交渉などもしてくれますよ

うめは実際、どのくらい給与交渉ができるか転職サイトの担当者に相談しました

こういった交渉はプロに頼むとスムーズなのでぜひ転職の際は頼ってみてくださいね

転職サイトの詳しいことは下記記事を参考にしてみてください

様々な社会資源や福祉系の知識が必要

看護師として働くときにはあまり意識していないような、各種社会資源、医療や福祉の制度、施設の違いなどの知識が必要となります

例えば、同じように「お金がない」と訴える患者さん・ご家族であっても、年金や預貯金額、その他資産の有無等、住んでいる地域、家族構成、家族の介護力等によってできる提案の内容は異なってきてしまいます

こういった、看護・介護の知識以外の、福祉関連の様々な知識も知っていなければいけないというのが、退院調整看護師として働く上で課題となってくるかと思います

こういった社会的問題については、院内職員の中では医療ソーシャルワーカーの方が詳しいです

そのため、自分の知識だけではわからない時には医療ソーシャルワーカーにも相談・確認等をしたり、場合によっては一緒に担当してもらい社会的問題は医療ソーシャルワーカーに対応してもらうなど、医療ソーシャルワーカーとも密に連携しながら対応していく必要があります

地域にどんな利用できるサービスがあるかを知らないと、適切な提案はできないですからね

過去にこんな記事も書いているので良ければ参考にしてみてくださいね

最後に

いかがでしたか?

一般的にイメージする看護師の働き方とはまた違った仕事内容・役割ですが、とてもやりがいのある楽しい仕事ですよ!

興味のある方はぜひ挑戦してみてくださいね♪

ではまた!

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