【新卒】で【慢性期病院】で働くことのメリットとデメリットは?

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看護師

新卒はまず急性期病院で働きな。

そのあと興味がある慢性期病棟とか、訪問看護とかに行けばいいのよ。

まずは急性期で経験を積まなきゃ。

こんな話、看護師や看護学生の皆さんは一度は聞いたことあるのではないでしょうか。

うめも学校の教員や実習先の看護師さん、両親に散々言われました。

散々言われ続けましたが。

うめは、慢性期の病院に就職しました。

そして。

最初に慢性期病院に入っちゃったら、看護師のスキルは身につくの?

研修制度とか大丈夫?

その後の転職先も困りそう

なんて話を就職してからも結構言われました。

でも、場合によっては急性期に勤めている同期よりもよっぽど経験を重ねて、スキルもあると思える看護技術もありますよ。

また、看護師の働き方も多様化しています。

なので、新卒で慢性期病院だったからと不利になることばかりではありません。

現に私は今、急性期病院で働いていますしね。

ということで、今回は新卒で慢性期病院に就職したことでのメリット・デメリットについてまとめてみようと思います。

今後の進路に悩んでいる学生さんや看護師さんに、少しでも参考になれば嬉しいです。

慢性期医療とは?

日本慢性期医療学会のホームページにはこう書かれています。

慢性期医療とは、本来、急性期治療を完了した、あるいは在宅療養中に状態が悪化した患者さんに対し、継続的な治療とリハビリテーションを行うことで、在宅復帰を目指すものです。
しかし、慢性期医療の役割は時代の変化とともに拡大しつつあります。これからの慢性期医療は、地域に密着し、あらゆる疾病の患者さんに対応する、いわば「高度急性期医療以外をすべて担う」存在ともいえるでしょう。

つまり、ある程度の治療は落ち着いているけれど、すぐには自宅に帰れないような何らかの問題を抱えている方が多く入院されるのです。

また、ここで書かれている「リハビリテーション」は、回復期ではなく、維持期のリハビリテーションの側面が強くなります。

基本的には現状維持を目指し、これ以上悪化しないようにリハビリをしましょう、という感じです。

入院患者さんにはいろんな方がいます。

肺炎後の方もいれば、脳梗塞後や骨折後の方もいる、かと思うと神経難病の人もたくさん。

基本的には高齢者が多いけど、若い方もいる。

そしてみんな既往歴や合併症をたくさん抱えている。

幅広い年齢層・疾病の方が入院しているというのも特徴的かもしれませんね。

メリット

研修体制が整っている

うめが入職した病院は非常に研修体制が整っていました。

ここは本当に整っているよ。

新卒にも中途入社にも手厚い。

これだけしっかり教育してもらえるのが普通だと思わない方がいいね

同じ病棟で働く先輩たちが口をそろえてこう言っていました。

そして、転職してから、どれだけ手厚く教育してもらえていたのかを実感しました。

すべての慢性期病院が教育体制が整っているというわけではないでしょう。

ただ、急性期病院のように救急車が来て緊急入院や手術を担当しなきゃいけない、ということはないため、業務がある程度ルーチン化されており、教育に時間を割いてもらいやすいという特徴はあるなと思います。

3~5年かけて教育を行うような病院が多い印象です。

私が就職した病院では、

1年目はプリセプターがついて1年かけて看護業務等についてしっかり学び

2年目は、各業務を1人立ちしながら、1年目のフォローを少しずつ行い

3年目に、事例検討をしたり、日勤・夜勤のリーダー業務を始めていく

という感じで段階的に教育が進んでいきました

比較的、業務はルーチン化されている

救急車が到着して緊急入院をとる、といったことはなく。

毎日大体の業務の流れが決まっているので(もちろん、その日の受け持ち患者さんの人数や身体状態などによって細かい部分は変わります)

新人としてまず一日の流れを学び、身につけたいという場合には働きやすいと思います。

患者さん1人1人とじっくり関われる

入院患者さんは数か月・数年単位で入院されている方が多いです。

日々の業務に追われ、なかなかまとまった時間をつくってゆっくり関わるというのは慢性期病院でも難しいことは多いですが、入院期間が長いため、長期にわたりじっくりと関わることができます

気難しい患者さんも、数日・数週間・数か月と時間をかけて関わる中で、少しずつ信頼関係を築き、看護にあたれるようになっていきます。

急性期病院に比べると、慢性期病院の方が「患者さんとのコミュニケーションをしっかりとりたい」「患者さんに寄り添った看護をしたい」という方には向いているかもしれません。

看護技術が磨ける

慢性期病院にはいろんな医療処置が必要な方がいます。

私が最初配属された病棟では、

  • 人工呼吸器の方が約10人
  • 入院患者の7割近くが吸引が1-3時間おきに必要(日によっては30分おきに必要な人が複数名いる)
  • 入院患者の半数が経管栄養
  • 中心静脈栄養のかたも複数名いる
  • 毎日誰かしらが抗生剤等の治療をしている
  • 採血は毎日10人近い
  • 毎日誰かしらが点滴漏れするため、ルートの取り直しが必要
  • 心電図モニターを使用している人も複数名
  • 食事ができる人もほとんどが何らかの介助が必要
  • トイレに行ける方はほとんどがトイレ介助必須
  • 膀胱留置カテーテルが入っている人が入院患者の1/4~1/3くらい
  • 膀胱留置カテーテルを長期留置している方が多いので、カテーテル交換や膀胱洗浄などの処置が毎日誰かしら必要になる
  • 褥瘡(持ち込み、新規発生どちらも)がある方多く、褥瘡処置も毎日必要
  • スキンテアも発生しやすく、創傷処置も多い
  • 呼吸器がついていても、CVでも入浴介助は看護師付き添いで実施(最低週2回)
  • ALSなどの難病の方とは、文字盤や伝の心などを使いコミュニケーションを図る

…etc.

ぱっと思い出せたものだけでもこれだけあります。

このほかにも、まだまだやった看護業務はたくさんありますよ。

このような感じで、比較的毎日の業務はルーチン化されているとはいえ、幅広い看護技術を学びました。

特に気管内吸引なんかは頻回で、夜勤帯はずーーーーーーっと担当部屋を回り続けて吸引をし続けることもしばしばありました。

採血やルート確保については、大学病院の友達などよりよっぽどうまくなったと思っています。

(血管がなさすぎで、大腿部や膝からルートをとるのが得意という変態まで多数存在してました…)

幅広い職種・年代のスタッフと関われる

慢性期病院には、他の急性期病院から転職してきた方なども多くいます。

新人からベテランまで幅広い年代がいるため、他の病院での経験や知識を先輩たちに教えてもらえる機会が多くあります

また、長い時間をかけて患者さん・ご家族と関わっていくことになるため、医師やセラピスト、栄養課、医療相談室など様々な職種と関わる機会が多くあります

時には協働し、意見を交わし、お互い熱くなりすぎて言い合いになることも(笑)。

でもどのスタッフも、患者さんやご家族のためを思っているからこそ、多様な視点での意見が交わされ、日々の業務で刺激になり、勉強になることも多くありました。

担当患者さんへのケアや意見交換をきっかけに、他職種と仲が良くなることも多くありました。

特に同期のセラピストとは、休日に遊びに行ったり旅行に行ったりと、転職してからも仲良くしている方が多くいます。

在宅領域などで経験を生かせる

慢性期病院で行う看護ケアの多くは、自宅や施設でも行われているものが多いです。

また、在宅で療養されている方は合併症がある方も多く、慢性期病院で入院している患者さんに近い状況の方も多くいます。

なるべく現状の身体状況を維持しながらも、よりよい生活・療養ができるようにと日々行う業務は在宅にも通じるため、訪問看護や施設で働くときに生かせる経験がたくさんあります。

また、看護技術だけではなく、「患者さんの生き方や生活全体を見る視点」なども在宅療養での支援では大切となるため、慢性期病院での経験はおおいに生きていきます。

デメリット

急変時対応のスキルは身に付きづらい

急変時対応の機会が少ない分、院内研修や外部の講習会などにも参加しました。

とはいえ、実際の病棟勤務で急変時対応にあたる頻度は、急性期病院に比べて少ないです。

特に延命処置などについては、DNARを希望している方も多く、うめの場合は慢性期病院で勤務している間に心臓マッサージ等の延命処置を対応したことはほとんどありません。

研修会などで学ぶ機会を積極的に自分で作りながらも、もし急変時対応が必要な場面にあたったときには、先輩たちの様子を見て学びながら積極的に参加していく姿勢が必要だなと思います。

ちなみにうめは、

訪問看護などでも急変時対応にあたることはあまりなかったので、

いまだに急変時対応は苦手です。びくびくしちゃいます。

急性期病院への転職は難しいことがある

全く転職できないわけではありません。

現にうめは、慢性期病院や訪問看護などを経て、現在急性期病院で働いていますしね。

ただ、特に救命救急センターやICUなどの超急性期病棟や、そのほか脳神経外科など急性期病棟にいまから転職というのは考えられないです。

というのも、慢性期医療と、急性期医療では治療の仕方やケアの仕方についての考え方や価値観が少しずつ違います

(とにかく病気を治すことに重点を置くか、病気と共存しながらの生活への支援に重点を置くか、といったような違い)

これまでの経験や価値観とは異なる新しい領域で、かつ命のやり取りも頻回な、体力勝負の病棟で働く経験をするのであれば、やはり新卒で入職するか、なるべく早い段階で急性期病棟を経験しておくとよいのかなと思います。

もしくは、超急性期~慢性期まで持っているようなケアミックス病院に勤務し、いろんな病棟を移動しながら経験を積めるとよいのかなと思います。

最後に

いかがでしたか?

うめは、新卒で慢性期病院で働くメリット・デメリットはこんな感じに考えています。

そして現状、新卒で慢性期病院で働いたことを全く後悔していません

(もともと学生時代から慢性期、在宅領域に興味があったからかもしれませんが…)

「慢性期病院だから…」と思わずに、興味があるかたはぜひ新卒でも挑戦してみてくださいね!

ではまた!

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